🤔「教育と生産性ってつながる?」
介護において、生産性の向上とは、ケアの質の向上と関連します!
下記参照
厚労省の発信している「業務改善の手引き」の中では
教育について、OJTのみ述べられています。
しかし、特にOJTのみにこだわる必要はないのではないかと思います。
重要なことは、社員教育を通じて社員一人ひとりのスキルを高めることで
企業全体の生産性が向上し、利益を生み出すという結果を得ることです。
その方法の一つがOJTであって、目的そのものではないからです。
企業は、利益を得るために存在します。
介護保険施設であっても、利益は追求しなければなりません。
何故なら、介護保険施設はフォーマルなサービスを求められているからです。
フォーマルなサービスは、継続的に連続的に利用できる内容を求められています。
😙「お金がなくて事業存続できないので、休業です!」
という事業所だらけでは、介護サービスは成り立ちません。
だからこそ、利益を追求し、サービス存続のできる存在でなければなりません。
利益を得て、フォーマルサービスの役割を果たすために
企業全体の生産性を向上していく必要があります。
介護における生産性の向上
これは、介護士が食事介助のサービスを提供している。しかし、利用者は介護拒否している。
という状況と仮定します。
もしも、このまま適切なケアができず、利用者の介護拒否が持続した場合
投入した介護士1人
に対し、利用者1人に食事介助サービスを提供しなければならない時間が増えます。
これが生産性の低下です。
例えると
介護士が適切で上質なケアを行い、スムーズに食事介助の支援ができ
介護拒否なく、20分で食事介助によって全量摂取した場合と
介護士が不適切で質の悪いケアを行い、食事介助の支援がうまくいかず
介護拒否の影響によって、1時間で食事介助によって全量摂取した場合
提供したサービス内容は同じ食事介助です。生み出した価値は同じです。
しかし、かかった時間は
良質なサービスを行なった場合、悪質なサービスの3分の1です。
(※実際は、こんなに上手くいくとは限りません)
つまり、生み出す価値と時間の関係性を考えるのが重要です。
悪質なサービスを提供し続けると
人件費はかさみ、生み出す価値も少ない
という状況に陥ることが容易に想像できるかと思います。
人手不足の中でも介護サービスの質を維持・向上させるマネジメントモデルの構築
教育活動は、サービスの質を高め、生産性を向上する
業務改善の根幹に関わるといっても過言ではありません。
理念の浸透(Mission・Vision・Values)
Mission・Vision・Valuesとは、「マネジメント」の発明者として有名な
経営学者のピーター・F・ドラッカーが、著書「Managing in the Society」の中で
提唱した企業の経営方針です。
Vision(ビジョン)とは ミッションを実現させた、将来のあるべき姿のこと どのような「社会」が実現されるべきか?の答
Mission(ミッション)とは 会社の使命、目的、存在意義のこと 「会社」はどのようなことをするべきか?の答
Values(バリュー)とは 具体的な指針、価値基準のこと どのような価値観を持って行動するべきか?の答
ソフトバンクを例に挙げます
ミッション⇨情報革命で人々を幸せに ビジョン⇨世界の人々から最も必要とされるグループ バリュー⇨努力って楽しい
「出典:SoftBank」
ミッション・ビジョン・バリューが大切な理由は
多様な価値観を認めつつ、全員が一つの方向へまとまって取り組んでいくための内容だからです。
企業の目指すべきゴールを明確に示さないと、何のために会社が存在し、何のために社員が働くのかが分からなくなり、社員のモチベーション低下やゴール設定を間違う
という事態が起きる可能性があります。
例えば、急に、会社の上司に
上司😀「さぁ行きましょう!」
と声をかけられたら、あなたはどう思いますか?
あなた🤔「どこに?」
というように思うことでしょう。
理念共有の重要性については下記の項目7を参照
今度は介護チームの例を考えてみます。
【安心ケア】という介護事業所があったとしてみましょう。
ミッション⇨地域住民に信頼され、人々が安心して暮らせる幸せな社会 ビジョン⇨コミュニケーションを大切にし、在宅ケア支援の拠点となることを目指す。 バリュー⇨サービスの充実と同時に、地域とともに新たな社会資源の開発をする
【安心ケア】は上記の理念・方針を持っています。
【安心ケア】で働く職員は、しっかりと理念と方針に沿った行動を求められます。
つまり、提供しているサービス内容の充実を図りながら、地域と交流をし、新たな社会資源を開発するという行動を通して、事業所がその地域の在宅ケア支援の拠点となることを目指せる価値を創出しなければなりません。ゆくゆくは、地域住民が安心して暮らせる幸せな社会を実現するために働くのです。
職員の中に
🙂「私は、社会資源の開発なんて無理だと思っているのでやりません!」
という価値観の共有できない人が多数いれば、その介護事業所の存在意義が無くなっていきます。
介護事業所は、サービスの充実と社会資源の開発によってビジョンの達成を図ろうという
価値観
を持っています。
その価値観や理念を意識せずに働くのであれば、他の介護事業所でも良いのです。
価値観や方向性がバラバラな職員が大勢集まって活動をしたところで
生産性の向上はなかなか図れないでしょう。
いつまで経っても、ビジョンとミッションの達成に近づかないからです。
ビジョンとミッションを達成する気がない企業であれば
企業が創るべき社会への価値を失うことになります。
それは、生産性の低下、いや喪失です。
😡「介護サービスを提供して、価値を生み出しているじゃないか!」
という意見もあるかもしれませんが
介護サービスを提供するのが目的なのであれば【安心ケア】である必要がありません。
他の事業所でも同じことができるのですから。
【安心ケア】は、ミッション・ビジョン・バリューを通して、社会に価値を提供するからこそ
意義があるのです。
まとめ
ケアの質向上と
理念共有
という観点から、社員教育と生産性について述べてきました。
あなたの職場は、教育を行いケアの質向上と理念共有を図っていますか?
もしも、全く行われていないのであれば危機感を感じた方が良いかもしれません。
生産性が低下していく企業は、介護の生産性向上を求められている中で
どのようになっていくか?
真剣に考える必要があるでしょう。
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