🤔「これから先、介護の仕事ってもっとラクになってくるのかな?大変になるのかな?」
これから加速する超少子高齢化社会の中で介護業界に不安を感じる人は多いかと思います!
私もその一人です…
国の方針から今後の介護報酬や人員配置に対する予測を立てていきましょう。
そして、その予測から未来を考えていきましょう!
法定で決められた人員配置の問題
有名なのは「常勤換算方法で3:1以上の介護職員又は看護職員を配置」という基準ですね。
ユニット型特養と従来型特養とどちらも同様に3:1の基準となっています。
例えば、入居者が30人の場合、最低10人の介護職員または看護職員の雇用が必要
ということになります。
しかし、梅本聡さんによると
実際は人員配置基準を満たすだけでは、夜間の支援者は0になってしまうという事実があります!
参考:https://www.minnanokaigo.com/news/kaigo-text/dementia/no124/
↑素晴らしい記事なので是非ご覧になってください
つまり、介護事業は、実際に法定で定められた人員配置基準より多くのスタッフを実際は雇用しなければならず、人件費コストがかかる状態であるということです。
法定で決められた人員配置基準は職員の福利厚生を想定していないのです。
高齢社会において2025年問題を考えると介護職の人材確保は、最重要解決課題の一つである。高まる介護サービスの需要に備え介護職の養成を進めてきているが、それでも十分にマンパワーを確保できている状態とは言えない。「引用:介護職の職業的課題が与える人材確保問題に関する研究 高橋幸裕」
このように介護業界の人材不足に関する論文も多々あります。
「人員基準の緩和はサービスの質を落とす」「現場の介護職員がさらに大変になってしまう」
現場の関係者の間ではこうした声が聞かれることでしょう。
しかし、人員配置基準の決定は、現場の介護職員ではなく、国が行います。国は、この人員配置基準の問題に対してどのように考えているのでしょうか?
厚労省・財務省の人員配置基準緩和の提言
厚労省は、介護を必要とする高齢者(非労働力人口)が増える一方で現役世代(労働力人口)が急減する今後を見据え、「より少ない人手でも回る現場を実現することが必要」と言明しました。
労働力人口に関してはこちらを参考に↓
厚労部会は、業務の切り分けや役割分担、ロボット・センサーの適切な整備、記録アプリの活用などで介護施設のイノベーションを加速させる構想を改めて説明し、健康寿命の延伸とあわせて力を注いでいく構えをみせ、「攻めの姿勢で考えていく」と強調しました。
根本匠厚労相も「より少ない人手でも回る現場を実現する」と語っています。この方向性が今年度の「骨太方針」や成長戦略に書き込まれる公算は大きいとされています。
実際の動きとしては
2018年度の前回介護報酬改定で、特別養護老人ホーム・ショートステイ—における夜勤職員配置加算について、通常「1名分の人員を多く配置」することが必要なところ、見守り機器の導入によって効果的に介護が提供できる場合には「0.9名分の人員を多く配置」することで足りる(つまり10%の人員基準緩和)ことが認められました。
そして、厚生労働省老健局老人保健課の眞鍋馨課長は、次のような見直しを行うことを提案しています。
特別養護老人ホーム・ショートステイ—における現行の夜勤職員配置加算の要件緩和措置(夜勤スタッフを通常1名分多く配置すべきところ、「0.9人分」多く配置することで良い)について、「入所者の15%に導入する」との要件を「入所者の10%に導入する」ことで良しとする。
などがあります。
これらの情報を踏まえて、どのような動きが想像できますか?
介護業界の人材が潤っていく未来が想像できるでしょうか?
間違いなく、人員配置基準緩和の方向性で国は進めていくでしょう。
令和3年度の介護報酬改定で原則的に記録の電子化を容認する。科学的介護システム(LIFE)の導入。加算取得のためには、LIFEの活用が必須になる項目が追加されるなど、介護業界のICT化の流れは確実に訪れています。
現場の介護職員はどのように考えて動くべきか
「業務改善の手引き」にその手がかりはあります。
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000679174.pdf
「出典:厚生労働省ホームページ 介護サービスの質の向上に向けた業務改善の手引き 改訂版」
今後の人員配置の見通しとしては、条件が緩和されていくと考えられます!
つまり、今より少ない人材で多くの高齢者を介護しなければならなくなります。そのためにテクノロジーを使用しましょうと国は発信しています。
また、「業務改善の手引き」の内容は
PDCAサイクルを活用しましょうと提示されています。
PDCAサイクルとは、P(Plan)・D(Do)・C(Check)・A(Action)を繰り返すことによって、業務を継続的に改善していく手法のことです。
日本企業では一般的に取り入れられている考え方です。最近では、「PDCAサイクルはもう古い、PDCAサイクルのスピードの遅さが企業成長の低迷につながっている。他のマネジメントサイクルを活用すべきだ!」という意見も多くみられる中で
国が介護業界に向けて発信した内容がPDCAサイクルの活用なのです。
もしかしたら、国は介護業界に対して時代が遅れているという見方をしているのかもしれません。
いや、実際に遅れているのではないかと感じる場面は多々あります。
例えば、ある県の老人福祉協議会の研究総会の発表内容について
一般的に、研究発表の場では論文形式で内容がまとめられます。
論文形式は【目的・対象・方法・結果・考察・結語】の流れで記載します。
その際、考察の部分では、自分の論理の裏付けとして参考文献の論文が必須になると言っても過言ではないのですが
老人福祉協議会の研究総会の発表を見ていると8割程度、参考文献なし
で論文の発表を行なっていたのです。参考文献なしの場合、論理の裏付けができないので
「私の思ったこと」をただ書き連ねている状態になってしまいます。感想文に近くなります。
この状況を見て、私が感じたことは
「間違いなく教育を行なっていない。」ということです。
教育に論文は必須ではないですが、専門職の論理的思考のための重要な要素になります。
そして、実際にPDCAサイクルが機能しているのであれば
参考文献のない論文を作った職員に対して【評価C(Check)】が入り、【改善A(Action)】
が行われるはずです。
「論文について知らない」という上司がいても、それは評価しない事とイコールではありません。
職員の教育は管理者の責務だからです。分からないことは調べればある程度、わかります。
実際、論文はgoogleで検索すれば多く出てきます。それを一つでも確認すれば
参考文献が記載されていることが分かるはずです。
老人福祉協議会の研究総会で8割も参考文献がないまま研究発表がされている
という事実は、職員の教育に対してPDCAサイクルが機能していないことを示唆します。
この事実に私は驚愕しました。(もしかしたら他の県では環境が違うかもしれませんが…)
職員の教育は、介護の質を向上する上で最重要です。そして、介護の質の向上は、生産性向上そのものです。
この教育に対してPDCAサイクルが機能していない現状は、研究総会に参加している県の健康長寿推進科等で確認されているものと思います。
その状況を踏まえて、「業務改善の手引き」でPDCAサイクルを強調しているのではないかと推測します。
しかし、8割の介護事業所のPDCAサイクルが機能していない状況に私は可能性を感じます。
PDCAサイクルすら機能していない現場であれば、改善の余地は無限大であると
重要なのは変化を恐れないことです。
私は、一般職員ですが、会社内で委員会を立ち上げ、マネジメントチームを作りました。
PDCAサイクルの仕組み作りを行なっています。
何度も言いますが、重要なのは変化を恐れないことです。
介護業界の無限大の可能性を私は信じます。
コメント