介護事業所におけるヤバい上司の特徴と見分け方

介護 ヤバい上司 見分け方   介護コラム  

「ヤバい上司に関わるな!」は、良く聞かれる言葉になりつつありますが、そうは言っても、誰がどうヤバいのかって意外とわかりにくい…。

特に、一般企業と介護事業所では、また毛色が全然違うので、企業サイトが参考にならないことがあります。

ということで、介護業界におけるヤバい上司の特徴をまとめてみました。特徴を理解すると、ちゃんと見分けられるようになります。

ヤバい上司と仕事しなければいけない状況はあるかもしれませんが…本記事を読み、深入りしないよう気をつけましょう。

介護業界におけるヤバい上司の特徴

ヤバい上司 介護

なかなか言語化するのが難しい「ヤバい上司」について具体的にまとめましたので以下をご参考ください。

利益を考えられない

もちろん、社会福祉事業は非営利団体であることもあり、利益第一のビジネスモデルではありませんが「利益は理念を達成するための前提」です。

理念を達成するためには、事業を続けなければなりません。だから、利益が必要なのです。

上司、つまりマネジャーの立場にある人は、理念を共有して達成に導く役割を担っていますが、「利益を考えられない」人は、もはや職務をこなせていません。

意見がコロコロ変わる

上司、つまりマネージャーの仕事は「チームで目標を達成させること」です。会社で考えれば、理念を達成するために、チームを導く役割を持ちます。

リーグ優勝を目指すサッカーチームに例えてみましょう。そのチームのマネージャーは、優勝に導く役割を担います。そのための方法は様々だと思いますが「優勝を目指す」という目的のために方法を考え抜くのが仕事です。

人は感情がある生き物ですから、それによって多少は行動が変わるかもしれません。

しかし、目的を忘れて意見をコロコロ変えるようでは、困ります。

サッカーチームなら「優秀する」ために、会社組織なら「理念を達成」するために意見を持ち、行動するのが上司の役割です。

そこには、ある程度の一貫性が生まれるはずです。

会社のマネージャーをしていながら、会社のために動けない上司には気をつけましょう。

部下とのコミュニケーションをサボる

部下とのコミュニケーションを怠り、指示が曖昧であったり、重要な情報を共有しなかったりします。

特に良くないケースは「人によって伝える内容を変える」ことです。お気に入りの部下とそれ以外の部下に対するコミュニケーションが違う場合、さまざまなタイミングで共通認識のズレが生じます。

当然、共通認識がズレてしまうと、利用者間や職員間でトラブルが生じます。

そのコミュニケーションの偏りが、特定の部下にだけ過度な負担をかけるなど、業務の割り当ての不公平さも生み出します。

このように、むしろトラブルを大きくするようなコミュニケーションを取ってしまう上司もいるのです。

プレイングマネジャーで、プレイヤー業務が忙しすぎてコミュニケーション不足に陥っている場合は、上司の能力不足かもしれません。業務量にもよりますが…。

日常的にハラスメント行為をする

部下に対して過度な叱責や圧力をかけるなどのパワハラ行為等を行い、職場の雰囲気を悪化させます。

パワハラのみでなく、セクハラをして雰囲気を壊すこともあります。

一応、それぞれの意味を以下に解説すると…

パワハラ(パワーハラスメント)パワハラとは、職場における権力や立場を利用して、部下や同僚に対して心理的・身体的な苦痛を与える行為です。具体的には、暴言、無視、過剰な仕事の押し付け、理不尽な要求などが含まれます。
セクハラ(セクシュアルハラスメント)セクハラとは、性的な言動や行為により、相手に不快感や屈辱感を与える行為です。具体的には、性的な冗談やコメント、不適切な身体接触、性的な要求などが含まれます。職場や学校などで頻繁に問題となります。

これらを日常のように行う上司のヤバさはハラスメント行為をすることに留まりません。

なぜなら、ハラスメントについては厚生労働省から定義が示されており、それを「調べない」or「理解できない」のどちらかだと推測されるからです。

以下にパワハラに当たりうる6類型を載せますので、ご参考ください。

類型説明
1. 身体的な攻撃暴力や暴行により、相手に身体的な傷害を与える行為殴る、蹴る、物を投げつける
2. 精神的な攻撃言葉や態度で相手に精神的な苦痛を与える行為罵声を浴びせる、侮辱する、無視する
3. 人間関係からの切り離し仲間外れや孤立を図る行為会議や情報共有から排除する、意図的に無視する
4. 過大な要求本来の業務内容を超える過剰な仕事を強いる行為不可能な期限の仕事を押し付ける、長時間の残業を強制する
5. 過小な要求本来の業務内容に比べて極端に低いレベルの仕事を与える行為能力に見合わない単純作業を与える、仕事を与えない
6. 個の侵害プライバシーに関わることや個人情報を不当に扱う行為家族の情報を問いただす、プライベートな時間に干渉する、個人情報を暴露する

セクハラについては「環境型:職場の環境を性的な言動や行為で不快にするハラスメント」と「対価型:職場での昇進や給与などの利益を対価として、性的な行為や関心を求めるハラスメント」に分けられるのですが、以下に簡単に6つのパターンを示すのでご参考ください。

類型説明
1. 身体的なハラスメント不適切な身体接触や性的な行為を強制する行為触る、抱きしめる、キスを強要する
2. 言葉によるハラスメント性的な冗談やコメント、性的な内容の質問をする行為外見や服装についての性的なコメント、性的な噂を広める
3. 視覚的なハラスメント性的な画像や映像を見せる行為、または性的な内容を含むメッセージを送る行為ポルノ画像を見せる、性的な内容のメールやメッセージを送る
4. 精神的なハラスメント性的な関心や行動を強要し、それを拒否すると不利益を与える行為性的な要求を拒否したことで昇進や評価に悪影響を与える
5. 環境のハラスメント職場や学習環境を性的な雰囲気にする行為性的なポスターやカレンダーを掲示する、性的な話題を繰り返す
6. 個の侵害個人のプライバシーに関わる性的な情報を不当に扱う行為個人の性的な情報を暴露する、プライベートな性的関心や行動について問いただす

内容を確認すれば、そんなに難しい内容は書いていないと思います。上司が、これらの内容を意識せず(理解せず)、日常的にハラスメント行為をしている場合…その職場は居心地の悪い環境になるでしょう。

参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/000366276.pdf

適切な態度を取れない

介護サービスにおいて、本質的なサービスは介護技術になりますが「介護保険で料金が一定」である以上、サービスの質は担保されているのが前提になります。

さらに言ってしまえば、素人目線で見て本質的なサービスの差というのは、非常に分かりにくいものです。

よって「選ばれる介護事業所」になるためには、基本的に「態度」「接遇」など表面的なサービスが重要になります。

先ほどから説明しているように、利益は理念を達成する前提条件です。

利用者や家族に対して適切な態度を取ることができない上司は、所属事業所の利益を低下させ、理念達成が遠のく環境を作りかねません。

当然ながら、介護技術面で足りない場合は、研修等を開催して向上を図る必要があります。その部分の対応ができていない場合は…言うまでもありません。

フィードバックしないorできない

部下の業績や努力に対して適切なフィードバックを行わず、改善点や称賛を伝えない上司。

「改善点」に関して言うと、適切な改善策を考えられる上司であり、あえて部下の失敗を咎めず、成長を促すケースは良いでしょう。

しかし、純粋に「改善点」がわからないために、部下に伝えられない上司の可能性もあるため注意が必要です。

特に、エビデンスを持った思考でなく「経験」や「感情」のみで判断を下すタイプは、適切なフィードバックにならないことが多く、パワハラのようになりがちです。

そのような上司は、そもそも知識が少なく、フィードバックできない上司である可能性が高いでしょう。

「称賛」に関して言うと、好みの部下だけ称賛するケースが最も良くありません。

部下すべてを称賛しないケースでは、一応平等であるため、まだ良いのですが…。

称賛のバランスについては、人事考課制度に準じたものである必要があります。その部分を認識せず、上司の好みで部下のモチベーション管理をしているケースもあります。

当然ながら、人事考課制度等を認識せずに部下を評価する上司の元で働いても、適切に評価をしてもらえる可能性は低いです。

ヤバい上司の見分け方

特徴を説明したところで、どうやってヤバい上司を見分けるのかについて以下で解説します。

初対面での印象

初対面で判断できるケースは多くありませんが、以下のような印象を持った場合は注意しましょう。

  • 無関心
  • 高圧的

上司は、いわゆるマネジメント職にあたります。マネジメントの役割の1つに教育が含まれており、部下を育てるのは仕事の一部とされます。

直属の上司は、部下を教育する立場にあるため、部下に無関心であってはいけません。また、高圧的にあたる必要もないでしょう。

ただし、部下の状況によっては、キツい態度を取る必要があるかもしれません。なので、初対面ですぐに判断できるかというとそうでは無いのですが…。

重要なのは「教育の役割を担っている」という視点を感じられるか?とう点になるでしょう。

もし、それが感じられない場合、上司が能力不足であったり、役割の認識不足である可能性が高いでしょう。

職場での言動観察

日常的な言動を観察し、部下への対応や職場での行動に問題がないかを確認しましょう。

問題を見定めるためには「標準的な上司の仕事とは何か?」を知る必要があります。その標準からのズレの大きさが、問題の大きさにつながります。

管理職(マネジメント職)が組織に対して求められる仕事は以下の3つです。

  • 理念や戦略の浸透
  • 仕事に対する動機付けと育成
  • チーム作り

あなたの上司から、上記の3つを感じられるような言動や行動が見られるでしょうか?

もし、見られないのであれば、適切に仕事を理解していないのかもしれません。その場合、組織は成長しにくくなるので、あなたの成長にも関わってきます。

参考:https://www.all-different.co.jp/column_report/column/manager/hrd_column_58_171220.html

ヤバい上司に対する対策

ハラスメント対策

もし、ヤバい上司とトラブルが生じたり、トラブルが生じそうになってしまったら…。そういったタイミングで行う対策を以下に紹介します。

コミュニケーションの改善

上司とのコミュニケーションを積極的に図り、自分の意見や状況を適切に伝える努力をします。

これはかなりハードルが高い行動かもしれませんが、解決策の1つになります。

小手先のテクニックではありますが、適切な評価ができず好みの職員を評価する上司の場合、コミュニケーションを積極的に図るだけで評価があがるかもしれません。(ある時、急に下がることもあるかもしれませんが…)

本質的には「部下であることを認識したコミュニケーション」を取るようにしましょう。

管理職でない一般職員は、上司の指示に従うのが仕事です。そして、その指示を遂行する必要があります。

業務内容等の決定権を持っているのは、基本的に上司・管理職の方ですから、変更をする権限は一般職員には無いでしょう。

つまり、権限と責任のレベルが上司と部下では違うことを理解した上でコミュニケーションを取る必要があります。

部下が勝手に業務内容を変更するようなことがあっては、上司レベルの責任を勝手に奪っていることになります。

なので「自らの仕事の範囲」を理解し、その範囲外のことを対象に行動を起こすのであれば「提案」するようにしましょう。

このあたり、理解していると仕事上のコミュニケーションを上手くとれるようになります。

記録を残す

問題が発生した際には、詳細な記録を残しておくことで後々の対策に役立ちます。

たとえば、パワハラなどを受けたと仮定しましょう。

文章で書き残すのも良いですが、文章の場合はそれが事実かどうか確認できないため、証拠になりにくいです。(嘘の情報かどうかを見分ける手段が無いため)

なので、できれば証拠になり得る映像や録音をするようにしましょう。

相手に確認をとってから録音などをするのが最も良いですが、難しいケースも十分に考えられます。

パワハラ等の事案は、秘密録音でも証拠となり、録音を理由に解雇する場合は不当解雇となるようです。

参考:https://roudou-bengoshi.com/harassment/pawahara/5075

相談窓口の利用

職場の相談窓口や外部の相談機関を活用し、適切なアドバイスやサポートを受けます。

介護事業所に相談窓口があるケースは多くないかもしれません。

その場合は「厚生労働省の総合労働相談コーナー」や「ハラスメント悩み相談室」、日本司法支援センターが行っている「法テラス」などに相談すると良いでしょう。

転職の検討

改善が見込めない場合は、健康やキャリアのために転職を検討することも一つの手段です。

あなたの人生はあなたのものです。仕事の時間はプライベートよりも長いものですから、ヤバい上司にずっと付き合っている余裕はありません。

人生の時間の無駄遣いです。

ただし、ヤバい上司がいる職場だからこそ、まともな人が昇格できるケースもあります。(メンタルが強ければ)

自分の人生計画や能力、職場のパワーバランスなどを観察しながら考えると良いでしょう。

まとめ:健全な職場環境の重要性

健全な職場環境は、介護従事者が安心して働けるだけでなく、利用者に対して質の高いサービスを提供するために不可欠です。

ヤバい上司の存在は、職場の士気を低下させ、業務効率を悪化させるだけでなく、従業員のメンタルヘルスにも深刻な影響を及ぼします。

早期に問題を見分け、適切な対策を講じることが重要です。コミュニケーションの改善や記録の保持、相談窓口の活用など、自分自身の安全と健康を守る手段を積極的に活用しましょう。

また、状況が改善しない場合には、転職を検討することも視野に入れるべきです。

職場全体で協力し合い、健全な労働環境を築くことが、介護事業の成功と持続可能性を支える基盤となるため、そうで無い場合は持続可能性が低いとも捉えられます。

ここまで解説してきたところで言うのもなんですが、すべて管理職が悪いということも無い可能性もあります。自身で学び方がわからないまま過ごしているケースもあるでしょう。「学ぶ文化」が無い中で過ごしてきた場合、少しかわいそうな面もあるかもしれませんね。(それでも立場上はマネジメントを学ぶべきですが)

コメント

タイトルとURLをコピーしました