介護業務で考えるPDCAサイクル C「評価」の重要性

  介護業界コラム  

🤔「介護でPDCAサイクル?業務改善してるから良いでしょ」

業務改善活動は重要ですが、評価に基づいた改善を行わなければ効果は得られません

厚労省は、業務改善の手引きの中でPDCAサイクルに基づいて

業務改善を行いましょうと記載されています。

http://www.roken.or.jp/wp/wp-content/uploads/2019/03/flyer_seisanseikojo_guideline.pdf

具体的にどの様にPDCAを行うのか解説をしていきます。

厚労省のイメージする PDCAスパイラルアップ

「画像引用元:illust AC」

円を描くPDCAサイクルを上へと伸ばしていくイメージを出しています。

つまり、螺旋しながら質がどんどん向上するイメージをしています。

ここで言えることが一つ

PDCAサイクルの一周目が回らないとスパイラルアップはできない

ということです。

まず、一週目の段階でつまづく例が多いのではないかと思います。

スパイラルアップは、一周目が成功してこそ成り立ちます。

重要なのは「適切な評価」

どのように業務を評価するか?

という点がとても重要です。

評価をせずに「改善案」を出して「実行」する

というのは割とカンタンにできます。そういった評価に基づかない実行は

改善されたのかどうか判断できず、不平不満を生む可能性があるので注意しましょう。

業務の評価例はこちら

どの時間に誰がどの業務をしているのか?

どのように変更して、どうなったのか?

情報化して整理しなければ、改善の判断のしようがありません。

「評価」の考え方

「出典:より良い職場・サービスのために 今日からできること 厚労省老健局」

厚労省は、上記の図をC(評価)として用いる例を出しています。

評価し問題点を出した上で

「出典:より良い職場・サービスのために 今日からできること 厚労省老健局」

例は、このように「視点①②③というA(改善案)」を出して

次のようにP(計画)しています。

  • Aさんはレクを11時に開始し、11時20分から介助を行う。
  • Bさんは休憩時間を11時開始にする。
  • Cさんは休憩時間を13時開始にする。
  • Eさんは、電話対応を1時間から40分に短縮する。

細かく挙げると、もっとありますが…

そして、その計画を職員が実際にD(実行)する。

という流れのイメージになります。

😅「こんな細かくやらなきゃいけないの?」

😡「やったって上手くいくかどうか分からない!」

という意見もあるかもしれませんが

評価しなければ何も見えません。

上手くいくかどうかさえ分かりません。

細かい評価については

何が変わったのか?前と何が違うのか?

見れなければ意味がないので、実行前と実行後の変化が分かる程度には

細かく評価する必要があります。

5W1Hを意識して

  • Who(だれが)
  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • What(なにを)
  • Why(なぜ)
  • How(どのように)

業務改善活動の実施前後で、どう変わったのかを評価できるようにしなければなりません。

PとDだけを行うと混沌とする

医者の治療を受ける時を想像して下さい。

PDCAサイクルを回している、😃医者1がいたとします。

医者1の例


受診

😞患者「息苦しいです。治したいです。」

医者が診断をする際には診察や検査などの評価をします。

  • 問診
  • 血圧測定
  • 聴診器で心音を聞く
  • レントゲンを撮る

などを受診した時に、状況に応じて行います。

そして、その評価の結果

例えば

😃医者1「肺炎だろう」

という診断・評価に基づいて

改善案を考え、治療方針をたてます。

😃医者1「原因となっている細菌やウイルスに対して抗菌薬を用いて治療しましょう。」

そして、抗菌薬による治療を実行します。

😞患者:抗菌薬を飲む

再受診

😞患者「良くなってきました。」

そして、再度評価を行います。

  • 問診
  • 血圧測定
  • 聴診器で心音を聞く
  • レントゲンを撮る

その評価の結果によって

抗菌薬の治療を継続するのか?別の案を出すか?改善しているから終了にするか?

という改善案を再度考えます。


このやり取りが、PDCAサイクルです。

次にPDCAサイクルが適切に行われない例を考えてみましょう。

例えば、P(計画)とD(実行)だけ行う

🤗医者2がいたとします。

医者2の例


受診

😞患者「苦しいです。治したいです。」

評価せずに治療方針を立てます。

🤗医者2「評価していないから、何の病気か分からんけど、取り敢えず咳止めの薬を1週間分でも出しておくか…」

咳止めによる治療?を実行します。

😞患者:1週間分、咳止めの薬を飲む」

再受診します。

😞患者「良くなりません。」

🤗医者2「評価してないから、どれくらい良くなったか、良くなってないかも分からんな…とりあえず、別の薬でも出しておくか…」


これがPとDのみを行う場合です。(※あくまで例です)

😂「こんなのあり得ないでしょ」

と思うかもしれませんが、仕事で業務改善に取り組む際には

PとDしか行っていない医者2と同じことをしていませんか?

評価をして

  • 元々はどんな状態だったのか?
  • どんな改善案を出して計画して、実行したのか?
  • それによって、どんな状態に変わったのか?

しっかりと見れていますか?

思いつきで業務内容改善のP(計画)を立てて

D(実行)していませんか?

その前後にC(評価)はしていますか?

どこが良くなったのか、良くなっていないのはどこなのかを見て患者を治療できていますか?

そのままで患者は良くなりますか?良くなりませんか?

あなたの職場は良くなりますか?良くなりませんか?

評価をしなければ、絶対に分かりません。

今一度、振り返ってみてはいかがでしょうか。

画像引用元

https://pixabay.com/ja/photos/女の子-バックライト-シルエット-1897828/#content

https://pixabay.com/ja/photos/データ-コンピューター-2899901/#content

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