介護業界は将来性ない?それとも将来性ある?

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介護職、介護業界で働く将来性について話題になることがあります。

「将来性」という言葉の捉え方にもよりますが、「持続可能性が高い」という面では将来性の高い業界になると言えるでしょう。

しかし、「お金を稼ぐ」という面では将来性の低い業界ということになるのではないでしょうか。

今回は、それを解説しつつ、どのように生き抜いていくべきかを考察しました。

是非、一読してみてください。

介護業界は無くなる職業ではないが、稼げない時代が今後も続く

介護系の仕事は今後も需要が高まり続けます。むしろ、供給不足になることが予測されています。

しかし、稼ぐことに向いている仕事なのかというとそうではありません。なぜなら、介護保険の財源の減少が予測されるからです。この辺りをデータから確認していきましょう。

介護職の需要は高まり、供給不足になる

介護需要ギャップ

「出典:経済産業省 将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会 報告書」 より引用

経済産業省は、介護人材供給が需要に追いつかないことを予想しています。研究会は、2018年に以下の2つの方策を検討していく方針を示しています。

将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会の検討の方向性
  1. 社会参加を中心とした介護予防の推進
  2. 介護サービスにおける高齢者を中心とした就労促進(人材確保)

また、2016年には以下のような提言をしています。

介護機器・IT等を活用した介護サービスの質・生産性の向上を進めていくことが必要

つまり、労働人口が減少し非労働人口が増加していくため、少ない介護従事者で要介護者を支えなければならなくなるということになるという見方に捉えられるでしょう。

そのために

  • 高齢者が要介護状態を予防するための介護予防推進
  • 高齢者を非労働人口側でなく、労働人口側にするための就労促進
  • 少ない介護従事者で多くの要介護者を介護するための生産性向上

を行いたいと指針を示しているということになるかと思います。

需要は高まり続け、仕事自体は必要とされ続けます。しかし、仕事環境は大変になっていくかもしれませんね。

介護保険の財源減少が予想される

介護保険サービス費用の負担割合↓

介護保険

介護保険サービスを利用する時に、利用者の負担は1割です。(厳密には1〜3割)

残りの9割(厳密には9〜7割)が介護保険で賄われます。

介護保険の財源は以下のようになっています。

介護保険料

負担が国や都道府県など分かれていますが、全て「税金」です。介護保険料や各税金によって介護保険は支えられているのです。

グラフは「%」で示しているため、どのように減少していくのか見えにくいですが、日本の人口減少の推移とともに考えてみます。

日本の人口の労働生産人口は以下のように推移していくと予想されています。

労働力人口

「出典:労働力調査年報 総務省」

まずは50%を占める「国民が払った保険料」つまり、「介護保険料」という財源をざっくりと計算してみましょう。

2020年の介護保険料の全国平均は、「5300円〜5500円」程度とされています。ここでは計算しやすく「5500円」と設定します。

  • 2020年|6404万人✖️5500円=約3522億円
  • 2040年|5268万人✖️5500円=約2897億円

このように人口と共に介護保険の財源が減少していくのは確実でしょう。(徴収する介護保険料を値上げしていけば財源は保たれます。)

その他、市町村や都道府県のお金の面は割愛します。

高齢者の割合は減少しない

人口動態

「出典:総務省 第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI~ネットワークとデータが創造する新たな価値~」 より引用

グラフ内の2020年と2040年の「65歳以上人口」の数値を確認するとわかりますが

高齢者数は減少しません。

財源の減少は予測されていますが、「65歳以上人口」は減少予測はされていないのです。

ただ、2020年の現役世代が高齢者になる時も、高齢化率が高く現役世代の負担になる可能性は高いと予想されます。

介護ニーズは伸び続けるが、介護保険財源は減少する

財源と

介護需要は高まり続けます。しかし、介護保険の財源は減少が予測されるため、介護事業所に入ってくる「介護保険から給付される9割のお金」の部分が減少していく可能性が大いにあり得るでしょう。

それは、介護事業所の運営や職員の給与に関わります。

介護業界自体の需要はあるため、今後も長く必要とされ、続いていく業界ではあります。いわば、「食いっぱぐれない」仕事ではあるでしょう。

しかし、「お金を稼ぎにくい」仕事だと見てとれるのではないでしょうか。

介護業界だけでなく日本自体が貧困化していく

暗雲

人口減少により、日本人の数が少なくなっていくと、減少した分だけ「物やサービス」を提供できなくなります。

例えば、お米の消費量だけを考えてみても、人口が減少すればその分だけ消費量が低下します。つまり、物が売れなくなっていきます。

「物やサービス」の売れない状況は、経済に良い影響は与えません。会社の業績を悪化させる要因ともなるでしょう。日本の経済状況は良くなっていくとは言い難いのではないでしょうか。

市場が小さくなってくことが想定されるでしょう。また、市場が小さくなり経済が回らなくなることは「税収」が減少します。それは、「介護保険制度」の持続にも影響するでしょう。

しかし、介護保険は国民皆保険制度です。運営主体は、保険者(市町村)であり、介護保険制度の改変はあったとしても簡単に破綻するものではないでしょう。

よって、介護業界自体は需要の面からも、運営の面からも「食いっぱぐれにくい」領域ではないかと考えています。

介護業界で働きつつ、どう生き抜くべきか?

介護保険制度自体は、今後も持続されていくことが予測されますが、「稼ぐ」という面では難しい業界であるといえるでしょう。

いわば、ゲームのRPGで表現すれば「盾」のようなものでしょう。持続力が高く、収入を継続的に得ることができる業界だと考えます。

「稼ぐ」ためには「盾」を大きくしていくか、「剣」が必要だと思います。転職で「盾」をより強くしていくか、別業界の副業で「剣」を持つか、といった思想が重要なのではないでしょうか。

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