🥲「部下が言うことを聞いてくれなくて…」
🙂「部下の動きが良くて助かる!」
この差はどこから生まれるのでしょうか?
以前、業務改善は可視化から行うべき
と言う記事を書きましたが
業務を可視化して、改善案を出し、実行しようとしたところ…
職員が実行しない
というケースに陥るパターンが多いのではないでしょうか?
そうでなくとも、業務の計画を立てても、職員が実行しないと言う場合
組織として成り立っていないと言っても過言ではないでしょう。
特に介護業界では、教育体制が整っておらず組織的に動くことができない事業所も
多いことが予測されます。
それは、組織における人材の品質レベルの問題が生じている可能性があります。
今回は、どんな組織だと職員が育たないのか?どんな組織だと人が育つのか?
解説していきます!
組織のパターンについて
「出典:Funai Soken」
見ればお分かりになるかと思いますが
- ピラミッド型組織が職員の育つ組織
- ひょうたん型組織が崩れかけの組織
- フラスコ型組織が職員の育たない組織
です。
ピラミッド型組織
特徴は
- 優秀な人材とそうでない人材のレベル差が小さい
- 経営理念を中心にまとまっている
- 役割が明確
- 負担が公正
- 責任とやりがいを感じながら働ける
とされています。
ピラミッド型組織の場合、基本的に教育体制が整っていると考えられます。
キャリアラダーやキャリアパス
に基づいた教育がなされ、その評価に応じて
職員のレベルに合った適切な教育を行える場合
職員の質が段階的に引き上げられ、ピラミッド型の構図
が作られます。
よって、職員の品質は徐々に引き上げられるため、質の差が少なくなるのです。
ピラミッド型組織で教育体制が整っている場合
目指すべき人材
の設定がされている事がほとんどです。それは、理念に基づいた人物像を描いています。
教育と評価によって経営理念の浸透が図られます。
評価制度が適切に運用できる場合
役職の抜擢と運用も上手くいきます。
結果的に、適切な役割をこなせる人材に役職が付き
責任に応じた給与体制が運用されることで
役割と負担が的確だという環境が作られます。
部下は、その適切な役割・責任・負担に応じた給与を実感すること
適切な評価制度が運用されていることで
公正さや責任感、やりがいを感じつつ働くことができます。
ひょうたん型組織
特徴は
- 著しくサービス品質の低いスタッフが存在する
- 優秀なスタッフが下限品質を下回るスタッフをフォローする
- 仕事量に偏りができる
- 役割が不明確になる
- 不満やストレスが増大する
- 優秀なスタッフが疲弊し退職していく
とされています。
ひょうたん型組織の場合、教育体制が上手く機能していないことが考えられます。
著しくサービス品質の低いスタッフが存在する状況は
教育の不備
によって起こります。
例え、教育と銘打って勉強会をしていたとしても
目指すべき人材を目標にした教育という本質を見失い
目標の無い勉強会を続けている場合、スタッフの品質向上に寄与しない
可能性があります。
教育は目標のための手段です。
また、適切な評価制度も運用できていない場合も
同様に問題が生じる場合があるでしょう。
キャリアパスやキャリアラダーに応じた評価
を行なっている場合は、スタッフの品質によって役職や給与が変わる
可能性が生まれますが
評価制度が上手く活用できず、高品質と低品質のスタッフが同じ評価・給料
だった場合、職員の負担配分の偏りが出つつも給料は同様という状況が生まれ
不満やストレスを生み出します。
品質の違いによってこなせる業務に変動が出てきた場合
マニュアル等が機能しにくくなり、役割が曖昧になっていく可能性もあります。
結果として
適切な役割・責任・負担に応じた給与を実感することができず
優秀なスタッフほど辞めていく職場環境が作り上げられます。
フラスコ型組織
特徴は
- 優秀なスタッフがいない
- 新人が入社しても教育できない
- 早期離職者が多発
- 主体性や積極性のない職員のみ残る
- 恒常的な人材不足
- 全てのスタッフが疲弊する
- 組織内から役職を抜擢しても機能しない
- 外部からの人材投入も孤立しうまくいかない
- 研修や会議に真剣に取り組むスタッフが少ない
- 評価制度が運用できない
- できない理由だけを探し変化できない
とされています。
フラスコ型組織の場合、教育体制が無い・全く機能していないことが考えられます。
優秀なスタッフがいない場合は
教育やマネジメントが行えません
何故なら、教える知識や方法が分かっているスタッフがいないからです。
よって、新人が入っても仕事を教えることができません。
仕事をしっかりと教えてもらえない環境では、新人は不満を抱きます。
その不満が新人の早期退職につながってしまいます。
主体性や積極性については、知識や行動力がモノを言います。
正しい知識を入れ、行動に移すスタッフは優秀です。優秀なスタッフが居ないということは、つまりは主体性や積極性がない職員のみがいるということになります。
新しい職員は退職しやすく、優秀なスタッフは辞めていく環境の職場では、もちろん人材不足に陥ります。
更に、優秀なスタッフが居ない職場では、業務の効率化を図れない・利用者や制度の変化に対応できないというような問題が生じます。結果として、業務負担がバラつき、煩雑になり、役割や負担が曖昧になっていきスタッフは疲弊するのです。
もちろん、知識や行動力のないスタッフから役職者を出しても上手く機能しません。部下は、その役職者から適切な指導を受けることはできず、向上心を失っていきます。また、知識がない役職者は、どのような能力があるスタッフが良いスタッフなのか、判断することができず、評価制度が運用できなくなります。
そして
適切な評価がされない
という不満の生まれる環境になり、研修や会議に参加する意欲が低下します。
まとめ
職員が育つ組織の根本的な要素としては
- 教育
- 評価
があると言えるでしょう。
適切な教育によって、理念共有ができ、それが組織に浸透していく。そして、優秀なスタッフが組織のマネジメントを行うことによって役割や評価などを適正にする。
適切な評価によって、やりがいを生み出し、能力や負担の偏りによる不満を解消する。
教育を怠ると徐々に組織が崩壊し、フラスコ型組織になっていくのは必然でしょう。
その結果、職員が動かず
業務改善活動
が行えなくなるのです。
職員の育つ組織は教育体制と評価制度が整っている
職員の育たない組織は教育体制と評価制度が崩壊している
これからの介護業界では、サービスの質向上と効率化が必須となります。
教育と評価について真剣に考える必要があるでしょう。
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