p458〜p476
ケアマネオンライン研修時、「読み込んでください」と言われる実務研修テキストの内容を
箇条書きで超訳します。
要約ではなく、超訳です。全ての文を箇条書きに変更しているため、文章に個人的解釈が含まれ、表現変更部分があります。
第5節 利用者・家族の意向の確認
Ⅰ.家族状況のアセスメント
(1)家族構成
- 要介護状態にある高齢者が生活するうえで家族構成は重要なアセスメントポイント
- 男性の独居世帯での家事状況はどうか
- 夫婦のみ世帯であれば介護負担はどうか
- 利用者と主介護者、他の家族、などの様々な関係性に十分注意する必要がある
(2)ジェノグラム、エコマップの活用
- ジェノグラムは、世代関係図、家族関係図と呼ばれるもの
- ジェノグラムは時間的経過のなかで家族関係を図式化することを目的に作られた
- エコマップは、生態学的地図と呼ばれるもの
- エコマップは、家族と関係者、社会資源との間にある関係を明らかにする目的で作られた
- このような関係図の利用は考察の際に役立つ
Ⅱ.利用者・家族の悩み、要望とその背景
(1)利用者・家族の主訴からの展開
割愛
(2)利用者の表現
- 利用者・家族によっては、要望を十分に言語化して語れない人がいる
- 言語化できない背景には、あらゆる様々な可能性がある
- ケアマネは、その潜在化した情報を把握する方法を身につけなければならない
(3)家族の存在と利用者
- 居宅サービス計画の主体は利用者本人
- ケアマネジメントでは、家族を一つの単位として捉えて援助の方法を考える
- 家族は、利用者の支援の担い手であると共に、ケアマネジメントを受ける対象と認識する
- 利用者主体でありつつ、家族の思いや要望も収集すべき重要な情報である
Ⅲ.生活の目標と課題の把握
(1)目標の共有
- 生活の目標は、利用者とケアマネとの間で共通の目標となる
- 居宅サービス計画に位置づけられた「サービス提供者」にも共有される目標である
- 目標の共有によってチームアプローチがなされる
(2)利用者にわかる言葉で話す
- 専門用語や抽象的表現は、利用者・家族との間で目標共有しにくい
- 具体的にイメージしやすい言葉で語ることが大切
- ケアマネは、介護サービス提供事業者にも居宅サービス計画を交付する
- ケアマネは、利用者の望む生活を実現するために必要な支援内容を明確にする
- ケアマネは、チームアプローチを強化する
(3)利用者の望む暮らしを理解する
- ケアマネジメントの目的を「課題解決」に着目しすぎるのは適切でない
- 利用者は自分の生活を「課題を含んでいる」と捉えていないことがある
- ケアマネは、健康の維持などを目標として捉えてしまいやすい
- 利用者にとっては、「目標」でなく「条件」として捉えることがある
- 居宅サービス計画は、利用者が望む暮らしを実現していくための「手段」
- 利用者の望む暮らしを実現することがケアマネジメントの目標
(4)利用者の望む暮らしは変化する
- 退院直後の利用者の持つ目標と、ある程度退院後の生活を送った利用者の持つ目標には変化があって当然である
- 利用者が目標を高く持つようになったのであれば、ケアマネジメントの効果と捉えられる
第6節 多職種による情報を関連づけたアセスメント
Ⅰ.主治医からの情報収集の重要性
(1)主治医からの意見が不可欠
- 疾病は利用者の生活ニーズを形成する要因の一つに過ぎない
- 要因の一つだが、生活上の問題を生じさせる発端となっていることがある
- 主治医からの情報は不可欠
- 医療関係者から情報収集することも大切
(2)病名でなく利用者の病状を知る
- 利用者がその病気によって「どのような状態」であるかを理解する
- 「どのような生活上の困難」があるかを把握する
(3)疾病の特性と予後
- ケアマネは、主治医などから利用者の疾病の状況と予測の情報を得る
- アセスメントは、その情報を基に検討していく
(4)利用者・家族の了承
- 主治医との連携を図るには、主治医との間で利用者情報を共有する必要がある
- 個人情報の取り扱いについては、重要事項説明書を用いた説明を行う
- 情報を提供する可能性のある場合について理解してもらうような配慮は重要
(5)主治医との連携方法
ⅰ.連絡方法・連絡時間
- 診療時間中に電話をしたり、訪問したりすることは慎むべき
- 地域の医師会の中では「ケアマネタイム」が公開されている場合がある
- 連絡可能な時間帯を知ることが重要
- 電話やFAX、メール等の手段と受付担当者を確認することが重要
- 病院の勤務医であれば、地域連携室を通して連絡を取る
- FAX等でサービス担当者会議への出席を依頼すると同時に居宅サービス計画原案についての主治医の意見を照会するという方法もある
ⅱ.面談前にポイントを絞る
- 主治医と面談することで、その後の連携の素地を作ることが可能
- 利用者の担当となった時から主治医との関係を構築しておくことが大切
面談する場合には
- ケアマネとして利用者を担当することになったこと
- 利用者の支援目標
- その目標達成に向けた主治医からのアドバイスが頂きたいこと
など面談の目的を明確にする必要がある
ⅲ.必要とする情報を押さえる
①病状と留意点
- 現在の病状に関する情報と、主治医が考える医療の方向性を確認する
- 生活上の留意点を確認する
- 禁忌についても確認する
②予後に関する情報
利用者の病状が、今後どのように推移していくのかという主治医の見立てを聞く
③支援目標に対する医学的アドバイス
利用者の望む暮らしの実現に向けて、主治医から医学的アドバイスを得る
Ⅱ.多職種に対する確認の仕方
- 多職種からの情報を集めるのはケアマネの仕事
- 専門職から利用者の状態について評価や意見を聞く
- 知りたい情報については明確にしておくことが大切
(1)医師・看護師
- 利用者は多くが高齢者であり、個人差が非常に大きい特性を持つ
- 利用者と医師の了解を得たうえで診察に同行するのは有効な手段
(2)歯科医師
歯の状況や口腔ケアについては、歯科医師や歯科衛生士の評価や意見を聞く
(3)PT、OT、ST
利用者の残存機能や改善の可能性についての評価や意見を聞く
(4)薬剤師
重複している薬剤がないか等を聞く
(5)栄養士
栄養状況について、知り合いの栄養士に相談することも有効
Ⅲ.情報を結びつける
- 医療の方針と介護の方向性が一致することが利用者のニーズを解決する上で欠かせない
- 利用者の状態は変化しやすいことを念頭におく
- ケアマネは、専門職から得た情報を利用者・家族が分かる表現で丁寧に説明する
- ケアマネは評価や意見の理由を把握することが重要
- 利用者・家族が発する「望み」を専門職が考えるニーズと一致させていく
第7節 利用者・家族のニーズの優先順位の判断
Ⅰ.課題整理総括表の活用
(1)基本的な活用方法
- 「課題整理総括表」は多職種協働の場面で、適切に情報を共有するためにある
- 利用者の状態を把握し、情報の整理・分析を通じてニーズを導き出した過程を表にする
- 「課題整理総括表」は、すでに把握してきた要介護者に関する状態から具体的に記載
- 個々の現在の状況の事実の背景となっている阻害要因を示す
- ケアマネは「改善/維持の可能性」に関する補足事項を検討
- 多職種からのアドバイスを受けつつ、短期目標の期間を意識して「見通し」欄を記入
- 「見通し」をもとに「利用者及び家族の生活に対する意向」を踏まえて、「生活全般の解決すべき課題」を記載する
- 生活ニーズについての優先順位を数字で記載する
(2)利用者の意欲や能力の評価を加える
- 課題整理総括表は、介護や医療のニーズに限ったものである
- 利用者の意欲や能力といったプラス面の評価も加えて見通しを記述することが重要
- 見通しを基に「短期目標」「長期目標」を決定し共有することがニーズ実現のポイント
第8節 再アセスメントの重要性
Ⅰ.アセスメントは繰り返される
(1)モニタリング
- 居宅サービス計画が実施されると同時に利用者についてのモニタリングが始まる
- モニタリングは、計画の実施状況を継続的に監視することを意味する
- モニタリングは、アセスメントが繰り返されていくということを意味する
(2)検証
- 利用者からの情報収集、分析、ニーズの抽出にかかる期間は非常に短いことが多い
- 期間の短さにより、状況を十分に把握できないことがある
- 情報の不足は常に発生するもの
- 再アセスメントは、利用者の生活が活性化される方向性を検証し直す
Ⅱ.利用者の状態像は変化する
(1)状態像の変化
- 利用者の状態像は、毎日変化している
- 定期的な訪問のみでなく、必要に応じた訪問は重要
- 介護サービス提供者が連絡をしてきた場合などの機会を逃さずに訪問する必要がある
(2)入院・入所
- 一時的に状態が悪化した場合に利用者が入院することがある
- 入院中の利用者の状態を把握することは退院後のスムーズな対応につながる
- 利用者の身体状況のみでなく、介護サービスの影響や状況も再アセスメントする内容
重要点のまとめ
- 利用者と主介護者、他の家族、などの様々な関係性に十分注意する必要がある
- 関係図の利用は考察の際に役立つ
- ケアマネは、潜在化した情報を把握する方法を身につけなければならない
- 利用者主体でありつつ、家族の思いや要望も収集すべき重要な情報である
- 目標の共有によってチームアプローチがなされる
- 利用者の望む暮らしを実現することがケアマネジメントの目標
- 医療介護連携は重要
- 医師との連携には注意を払う
- 利用者の状態像は、毎日変化している
〔参考文献:介護支援専門員実務研修テキスト作成委員会 一般財団法人 長寿社会開発センター 七訂 新カリキュラム対応 介護支援専門員 実務研修テキスト 上巻 p458〜p476〕
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