【データから見る】未来の介護従事者の需要と供給

  介護コラム  

未来の介護人材の供給量

「出典:経済産業省 将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会 報告書」 より引用

https://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180409004/20180409004.html

高齢化社会の到来によって、介護需要は増加します。

しかし、これからの未来は介護需要は増加しても供給は追いつかないという状況が生まれます。

2025年には32〜43万人

2035年には69〜79万人

介護人材が不足するという状況が生まれると予測されています。

少子高齢化社会の影響により、労働力率労働力人口が同時に低下していきます。

詳しくは下記事を参照

介護業界は既に人材不足と言われていますが、これから更に人材不足が加速します。

更に、不安要素としては

経済産業省の図では、介護人材供給の数字が上昇傾向に示されている部分です。果たして、介護人材供給はこれから増加していくのかという点においては不安要素があります。

何故なら、何度も言うように労働力率と労働力人口が同時に減少していくからです。

産業別就業者数から考える介護人材供給量

「出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 早わかりグラフで見る労働の今 産業別就業者数」 より引用

産業別就業者数|早わかり グラフでみる労働の今|労働政策研究・研修機構(JILPT)
労働に関する各種統計調査結果や指標の情報。更新は随時。データのダウンロードも。

労働力というのは、介護人材つまり医療・福祉業界のみでなく、様々な業界に必要とされます。

介護人材の供給量が増加するというのは、医療・福祉業に就く人が増える事に他なりません。

2020年時点では、日本の労働力全体の12.9%が医療・福祉業界に割かれています。

これから、労働力人口が低下する事を考えると

12.9%が変わらない状態ならば

労働力人口の減少⇨医療・福祉従事者も減少

という当たり前の結果に行き着くかと思います。

例えば

労働力人口が1000人であれば、129人が医療・福祉業界に就いている状態

労働力人口20%減少!

労働力人口が800人であれば、103人が医療・福祉業界に就いている状態

という様に変化します。ちなみに、20%の労働力人口低下は

2020年から2040年へ移行する時に予測されている労働力人口低下率と同程度です。

これは現実的な数字です

2020年の労働力人口は、6404万人

2040年の労働力人口は、5268万人

と予想されています。この労働力人口の低下率は、約18%です。

つまり

就業者率を維持した状態であれば、労働力人口が減少するから医療・福祉業界に携わる人数は減る!

という事が言えます。つまり、その中に含まれる介護人材も減少すると予測されます。

2020年と同じ人数の医療・福祉従事者を2040年に確保するのであれば

2040年の日本の労働力全体の16.1%を医療・福祉に割かなければなりません。

経済産業省の予測では、2025年の介護人材供給量は、215万人

2035年には228万人にまで増加すると予測しています。この数字の増加の予測は果たして

そのまま受け入れて良いのか?そこには不安が残ると私は感じます。

これからの高齢者人口の推移

「出典:総務省 第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI~ネットワークとデータが創造する新たな価値~」 より引用

総務省|平成28年版 情報通信白書|人口減少社会の到来

労働力人口と労働力率が低下する事によって

介護人材の供給量は減少する可能性があることは理解した上で

高齢者の人数はどのように推移するのでしょうか

高齢者の人数は

2020年時点で、高齢者人口3612万人

2040年時点で、高齢者人口3868万人

と予測されています。

これは、労働力人口と労働力率と全く逆の減少が高齢者数に訪れるという事です。

高齢者人数が増加しながら、高齢化率が増加するという現象が起きると予測されます。

データから未来を考える

労働力人口と労働力率の減少

高齢者人口と高齢化率の上昇

同時に起こる事によって、急激に人口ピラミッドは変化していきます。

時代は急激に変化していきます。

その中で介護業界も変化する必要があるのではないでしょうか。

現役世代が高齢者になる時代が到来しても、この高齢化社会は変わらないと予測されている事が

総務省から発信されているグラフから見ても分かるかと思います。

現役世代、そしてこれから医療・福祉業界で働く方々の未来のためにも、業務改善・より良い変化を起こしていかなければならないのではないでしょうか。

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