認知症ケアの鍵は「介護者のメンタルケア」と「レスパイトケア」|負担を減らす方法とは?

レスパイトケア 時事  

参考記事:https://news.yahoo.co.jp/articles/378a5459f680f95120d2e446f9c9e58d3c3813c0

以下、要約。

認知症の治療には、患者本人だけでなく介護者の理解と対応が非常に重要です。介護者が認知症について正しい知識を持ち、冷静に対処することで、患者の症状が落ち着き、進行を遅らせることが可能です。しかし、多くの医師は患者だけに焦点を当て、介護者のメンタルケアを軽視する傾向があります。くるみクリニックの西村知香医師は、初診時に患者と介護者に対して長時間の聴き取りを行い、病状説明や心理検査を実施しています。これは介護者が患者に適切に対応できるようにするためです。

また、認知症治療薬の使用についても適切な量やタイミングが重要です。ドネペジルのような薬が過剰に使用されることで症状が悪化することがあり、患者に合った量を見極めることが不可欠です。さらに、高齢の認知症患者は多くの薬を服用している場合があり、薬の過剰摂取が認知症に悪影響を及ぼすこともあります。たかせクリニックの高瀬義昌医師は、訪問診療で患者の薬の最適化を行い、必要に応じて減薬することで症状の改善を図っています。

楽木
楽木

重要なのは、介護者のメンタルヘルスです。いくら理解度を高めたところで、認知症の方を介護する方はそもそもメンタルヘルスを害しやすいことに注意しなければなりません。

介護者のメンタルヘルスと認知症ケアの重要性

佐藤
佐藤

楽木さん、最近、認知症の介護がとても大変だと聞きましたが、特に介護者のメンタルが問題になることが多いそうですね。

楽木
楽木

そうですね、佐藤さん。認知症患者の介護は、身体的な負担だけでなく、精神的なストレスも非常に大きいです。介護者のメンタルヘルスが悪化すると、介護の質にも影響が出ることが多いんですよ。

佐藤
佐藤

介護者の方にどんな影響が出るのでしょうか?

楽木
楽木

例えば、介護を続けていると、うつ病や不安障害を引き起こすことがあります。また、長期にわたって介護をすることで、感情的に疲れてしまい、いわゆるバーンアウト(燃え尽き症候群)になることもあります。こうした状態は、介護の質を低下させ、患者さんの症状が悪化する原因にもなります

佐藤
佐藤

それは大変ですね。介護者の方がそのような状況にならないためには、どうしたらいいのでしょうか?

楽木
楽木

一つは、『レスパイト』という名目で介護サービスを活用することです。レスパイトケアとは、介護者が一時的に介護を休むために、患者さんを施設やデイサービスに預けるケアのことです。これを利用すれば、介護者も心身をリフレッシュでき、ストレスの蓄積を防ぐことができます。

佐藤
佐藤

レスパイトケアですか。それなら、介護者も少し安心して休めますね。

楽木
楽木

その通りです。認知症の介護は長期戦ですので、介護者自身がしっかり休むことがとても大事です。さらに、訪問介護やデイサービスといった外部の支援を積極的に利用することで、介護の負担を軽減することができます。介護者が一人で抱え込まずに、周りのサポートを受けることが重要です。

佐藤
佐藤

そういったサービスをもっと活用すれば、介護者のメンタルも守られそうですね。ところで、介護者がうまく対応できないと、患者さんにも悪い影響が出るんですか?

楽木
楽木

そうです。西村知香医師の話によると、介護者が認知症について理解を深めることで、患者さんへの接し方が改善され、それが結果的に患者の症状の安定に繋がることが分かっています。ですから、介護者のメンタルケアは、患者さんのケアにも直結する非常に重要なポイントなんです。

佐藤
佐藤

なるほど。認知症の方のケアだけでなく、介護者のケアが患者さんの生活にも影響を与えるんですね。

楽木
楽木

はい。介護者が健康で安定していることが、最終的に患者さんにとっても良い結果をもたらします。ですから、家族や周囲のサポートを活用して、介護者が無理なく介護を続けられる環境を整えることが大切です。

佐藤
佐藤

とても勉強になりました。介護者も自分を大切にすることが、患者さんのためにもなるんですね。

楽木
楽木

その通りです。認知症のケアはチームで行うものですから、介護者も大事なメンバーの一人として、しっかりサポートされるべきなんです。

介護者がしっかり休むためには「レスパイト」などのサービスを活用することが重要です。介護者の健康が、患者さんのケアにも良い影響を与えます。

レスパイトケアに関する簡単な解説を、厚生労働省の公的エビデンスを基に以下で解説します。

レスパイトケアとは?

レスパイトケアは、主に家庭で介護を行っている家族や介護者が一時的に休息を取るために、介護が必要な方を短期間、施設やデイサービスに預けることができる制度です。これにより、介護者はリフレッシュする時間を確保し、心身の疲労を軽減することが可能です。介護者の負担軽減を目的とした公的なサービスの一つで、在宅介護が長期化する中、介護者の健康を守るためにも重要視されています。

厚生労働省も、介護者支援の一環としてレスパイトケアの利用を推奨しており、以下のような支援制度が設けられています。

  • 短期入所生活介護(ショートステイ):一定期間、介護施設で生活することで、介護者の負担を軽減します。
  • 通所介護(デイサービス):日中に施設で過ごすことで、介護者が一時的に自由な時間を持つことができます。

【参考文献】  

  1. 厚生労働省「介護サービス情報の公表システム」  https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp 
  2.  Garity, J. (2006). Caring for a Family Member with Alzheimer’s Disease: Coping with Stress and Strain. Journal of Gerontological Nursing, 32(9), 39–48.
  3. Brodaty, H., & Donkin, M. (2009). Family caregivers of people with dementia. Dialogues in Clinical Neuroscience, 11(2), 217–228.
  4. Pinquart, M., & Sörensen, S. (2003). Associations of stressors and uplifts of caregiving with caregiver burden and depressive mood: A meta-analysis. The Journals of Gerontology Series B: Psychological Sciences and Social Sciences, 58(2), P112–P128.
  5. Schulz, R., & Sherwood, P. R. (2008). Physical and Mental Health Effects of Family Caregiving. American Journal of Nursing, 108(9 Supplement), 23–27.

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